昼はサファリ、夜はタキシード|豪華列車ロボスレイルに3泊した記録

この旅でやりたかったことは、チーターと歩くこと、ビクトリアフォールズを見ること、そしてアフリカで豪華列車に乗ることでした。
ビクトリアフォールズを発着する豪華列車はないかと探していて見つけたのが、ロボスレイルです。旅程を調べてみると、途中にはワンゲ国立公園でのゲームドライブまで組み込まれていました。
豪華列車に乗れて、ビクトリアフォールズから出発できて、そのうえサファリまで楽しめる。こうして、ビクトリアフォールズからプレトリアまで約1,400kmを走るロボスレイルを、この旅の大きな軸にしました。
飛行機なら数時間で移動できる距離を、3泊かけて進みます。乗る前から楽しみにしていた豪華列車でしたが、3日間かけて移動した時間そのものが、楽しい思い出になりました。
ビクトリアフォールズからプレトリアへ、約1,400kmの旅
同じ南アフリカの豪華列車では、ブルートレインも候補にしました。調べてみると、ブルートレインは1990年代後半から2013年頃まではビクトリアフォールズへのチャーター便を持っていた時期もあったようですが、2018年当時はすでに運休していて、通常運行はプレトリア⇔ケープタウンの2泊(途中キンバリーでの立ち寄りは鉱山の歴史ツアーで、サファリではありません)だけでした。

ジンバブエのビクトリアフォールズを出発し、ワンゲ国立公園、ブラワヨを経由して、ベイトブリッジで南アフリカへ国境を越え、プレトリアに至ります。距離にして約1,400km。 地図で見ると、その長さがよく分かります。
1日目|ビクトリアフォールズからロボスレイルへ
ビクトリアフォールズホテルでチェックイン
乗車駅はビクトリアフォールズの街なか。滞在していたKingdom Hotelから車でわずか6分でした。
発車前は、歴史あるビクトリアフォールズホテルでチェックインし、荷物を預け、時間まで待機してから駅へ案内されます。

いよいよロボスレイルに乗車
発車時刻は17時。駅のホームで軽い出迎えを受けて、そのまま自分たちの部屋(コンパートメント)に案内されます。荷物を置いているうちに、列車はビクトリアフォールズを出発していました。
3泊するプルマンスイートへ
私たちが泊まったのはプルマンスイート。列車の個室らしく、実際はかなりコンパクトな一室です。
日中はソファのある小さな居間として使い、ディナーから戻ってくると、そのソファがベッドに変わっています。赤いダマスク織のソファ、レースのカーテン、真鍮のランプ。内装はクラシックな鉄道旅行そのものです。
部屋に入ると、ウェルカムアメニティとして塩キャラメルの箱が置かれていました。

宛名入りのメッセージカードも添えられていて、小さいけれど印象に残るおもてなしでした。
シャワー・トイレも個室内に備わっていて、走行中の揺れはありますが、水回りで困ることはありませんでした。
最初の夜、正装してダイニングカーへ
食事はすべて乗車料金に含まれています。朝食・昼食・ディナー、その間のアフタヌーンティーまで、追加で払うものはほとんどありません。
昼間はカジュアルな服装で過ごせますが、夜のディナーだけは、男性はジャケットとタイ、女性はそれに準じた服装が求められます。 事前に知らされていたので、私たちもスーツとワンピースを持って乗り込みました。

暗くなったダイニングカーに明かりが灯ると、赤いテーブルクロスと真鍮の装飾が一気に華やかになります。


料理はフルコースで、鴨のロースト、チーズプレート、デザートまで一通り出てきます。ワインリストもあり、走る車内とは思えないほど落ち着いた食事の時間でした。案内される席は毎晩違いましたが、いつも2人だけのテーブルでした。
2日目|朝からワンゲ国立公園へ
列車を降りて、ゲームドライブへ
翌朝、列車はワンゲ国立公園のそばに停車。乗客はここで一度列車を降り、ゲームドライブへ出発します。
豪華列車を探していてロボスレイルの旅程を見たとき、途中でワンゲ国立公園のサファリまで楽しめると知ったのは、うれしいおまけでした。
サファリのあとは、列車に戻って朝食
朝からゲームドライブを楽しんで、お腹を空かせて列車へ戻ります。
戻ったあとはダイニングカーで朝食。コーヒーとフルーツ、焼き立てのペストリー、卵料理まで一通り並びます。

その後は列車での時間を楽しみながら、昼食、アフタヌーンティー、そして夜はディナーへ。サファリから戻ってからも、ロボスレイルでの時間をたっぷり楽しみました。
ディナーのあとはラウンジへ
ディナーのあとはラウンジ車両へ。私たちもお酒を飲みながらゆっくり過ごしました。

ストライプ柄のソファと真鍮のランプが並ぶラウンジで過ごしていると、他の乗客の方とも話が弾みました。
ラウンジにはモニターが1台置かれていて、地図の上に今どのあたりを走っているのかが表示されていました。クラシックな内装の中に、こういう仕掛けがさりげなくあるのも面白いところです。
3日目|何もしなくても贅沢な一日
ワンゲの翌日は、ほぼ一日を列車の中で過ごしました。
観光地に立ち寄る予定もなく、急いでどこかへ向かう必要もありません。車窓を眺めたり、展望デッキへ出たり、食事を楽しんだり。何もしなくても、贅沢な時間が過ごせます。 車内ではロボスレイルのオリジナルグッズも販売されていました。夫はここでロゴ入りのキャップを購入。気に入ったようで、8年経った今でも大切に被っています。
最後尾の展望デッキへ
列車の一番後ろは、屋根はあるものの壁のない展望デッキになっています。

後ろへ伸びていく線路をずっと見ていられる、開放的な車両です。カーブに差し掛かると、窓から列車の全長を見ることもできました。

カーブに差し掛かると、窓から何両も連なる列車の姿が見えました。乗っていると分かりませんが、こうして見るとかなり長い列車です。
ポロクワネで列車を外から眺める
夕方、列車は南アフリカ側のポロクワネ(旧ピーターズバーグ、リンポポ州の州都)に30分近く停車しました。
ホームに降りて少し歩いたり、駅の跨線橋に上ったりできる時間で、車窓からだけでなく、外から列車全体の姿を見られる貴重な機会でした。

跨線橋の上から見下ろすと、何両も連なった客車の全長と、ケープダッチ様式の駅舎、ヤシの木まで一枚に収まりました。地上から見るのとはまた違い、列車の長さを実感できる眺めでした。
車窓がオレンジ色に染まる
赤い岩山と乾いた低木が続く景色を、何時間も眺めていました。夕方には、車窓が一面オレンジに染まります。

特に何かをするわけではないのに、列車に乗っているだけで一日中楽しく過ごせる。 効率よく移動していたら、絶対に持てなかった時間です。
4日目|プレトリアへ到着
3泊過ごした列車は、プレトリアへ到着。約1,400kmのロボスレイルの旅が終わりました。
豪華列車に乗ることは、もともとこの旅行でやりたかったことのひとつでした。
実際に乗ってみると、部屋で眠り、サファリへ出かけ、食事を楽しみ、何時間も車窓を眺める。3日間かけて移動した時間そのものが、楽しい思い出になりました。
3泊して感じたこと
値段も、当時の感覚では「このサービス内容にしては安い」と感じていました。 私たちが2018年に払ったのは3泊・2名でR24,850/人。この旅の総額約86万円のうち、半分以上がロボスレイルでしたが、今振り返っても、それだけの価値がある体験だったと思います。
ただ、2026年8月時点の同区間・同スイートの公開価格を調べたところ、R66,500/人。8年で2.6倍になっていました。
ちなみに、いちばん高くつきそうな日本⇄アフリカの国際線は、往復ともANAの特典航空券(エコノミー)で取ったので、実際に払ったのは税金と燃油サーチャージの1人¥10,460だけでした。
もう一つ、事前に知っておいたほうがいいのは、乗車中の服装のメリハリです。 昼はラフな格好で過ごせますが、夜だけはきちんとした格好が必要です。荷物を減らしたい旅では、この夜用の1着がかさばります。
これから乗る人へ
運行日は限られています。 早めの予約が前提です。
夜用の服は最低1着。 ジャケットとタイ、それに準じたワンピースかスカートを1セット持っていくと安心です。
車窓の景色そのものを楽しむ気持ちで乗ること。 「早く着きたい」人には向きません。「着くまでの時間を楽しみたい」人向けの乗り物です。
料金は年々上がっています。 検討しているなら、思い立ったタイミングで動いたほうがいいと思います。
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※この記事は2018年5月の記録です。料金・サービス内容は変わっている可能性があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
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